you know something?

Use it for myself.

電話って、ホント難しいですよね

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1月12日。13時 37分。某自動車修理会社から私の Xperia にコールが。

「あれっ?! 何か忘れてたっ?!」と、慌てて電話に出てみると...

「はいっ!もしもし toomore_such ですっ!」
「はい。toomore_such さんのお電話でいらっしゃいますかぁ?」

あっ。社長じゃあないんだ。慌てて出て損した。それにしても、男性なのに、この甘ったるい声と語尾の伸びは一体...

あと、最近は電話早々「はい」って言う人が多いけど、意識的に線を引かないと会話をスタートできないのかな。受話側的には電話に出た直後の流れを断ち切られるようで、かなり違和感。

「そうです。私ですけど どんなご用件ですか?と聞き返そうしたら...
「今日は、お車の買い替えでお電話しましたぁ」

おーい。会話の間がダメだ。言葉を切られた感がパない。

それに、今お電話大丈夫ですか?とか、2・3分よろしいですか?とか、ここはまず、相手の許諾を取るところだろうし、いつもお世話になっております!とか、社交辞令の一つも無く、いきなり本題かよっ?!

って、某お笑い芸人みたいに突っ込みたくなる衝動を必死で抑えつつ、それにしても、この甘ったるい声と語尾の伸びはダメだ。色んな意味で無理だ。

「お買い替えのご予定はありますかぁ?」
「ありません」
「...」

はい。終了。いきなりの断崖絶壁に少し動揺した結果が数秒の間だったかな?

「それでは、お買い替えのご予定があれば、ご連絡ください」云々
(もう少し長めだったけど、あまり覚えてない...)

無い、って言ってるのにクドイな。でも、それ以外のシナリオが無いんだろうし、ここから「今でしょ」と得々と語られるよりは、まだマシか
(´Д`)ハァ…
(心の声はここまでw)

ということで、この名無しくんのインパクトが強烈過ぎて、是が非でもブログに残したい衝動に駆られました (笑) ので、唐突にも今回の電話を「個人的な主観」で総括してみたいと思います(ヲイ

電話というモノ

電話は「相手の時間に、急に割り込んで、半強制的に会話を始める」という、よくよく考えてみると、かなり乱暴なコミュニケーション手段です。

しかし敢えて、その「電話」を掛ける必要があった、ということは、それなりの理由があったはずですから、所期の目的を達成するため、それはもう慎重に慎重を重ねたアプローチを試みる場面な訳です。正に「オーガスタの最終ホール。一打のパターで大逆転」(笑) でしょうか。

で・す・が、これが電話の魔力と申しますか。手軽さがもたらす弊害と申しますか。とかくありがちなのは、「もしもし」「買い替えねーか?」という風に、急ぎ過ぎる一方的なディスコミュニケーションに陥りがちなところです。

ビッグデータ花盛りの昨今。渡された顧客名簿も、電話主にとってみれば、ただのデータに過ぎないのかも知れません。与えられた情報を処理し (電話を掛け)、結果を得る (単なる Yes or No) だけであれば、それで十分なのでしょう。

しかし、そこに「人間」は居ません。本当にそれでイイのかと問えば、私はイヤです。単なるルーチンワークとすぐ見て (聞き) 取れる電話では、正直申し上げて、残念な気持ちしか残りません。

エクセレントカンパニー

私が以前出会った去るお会社は違いました。顧客名簿をただのデータなどとは絶対に考えません。

その先の人間は、どういう人だろう、という想像の網を常に張り巡らせて顧客とのダイアローグ (対話) を試みます。

だから、電話も真剣勝負です。会話を通じて少しでも顧客から情報を抽出するため、ありとあらゆる工夫を凝らします。

  • 電話しても迷惑にならない時間帯は?
  • 携帯よりも固定電話か?
  • 休日の電話は? 営業日の方が良いか?
  • 本題は単刀直入の方が良いか? 前置きを置く方が好みか?
  • 自社とのお付き合いは? 一見さんか? 役員とは? 社員とは? 本人だけか? 家族も含めてか?

などなど、会社に眠る情報を徹底的に発掘しつつ、対話で得られた新情報でリアルタイムに軌道修正していく。

そうした細やかな配慮が、例えば電話の場合、電話口にも伝わって、ただの「電話」が「会話」に昇華していくのだろう、と私は考えています。

こうしたエクセレントカンパニーが醸成する「特別感」には、ある意味、秘密はありません。徹底した顧客理解とディテールに拘る執念深さ、という至ってシンプルな行動の繰り返しでしかないのです。

しかし、その単純さ故に、地味すぎるが故に、多くのお会社は飽きてしまい、集中力を途切れさせてしまい、途中で諦めてしまい、「普通の会社」に舞い戻って来てしまうのです。

そういう意味では、常人足らざる精神力こそがエクセレントカンパニーのコアコンピタンスなのかも知れませんし、だからこそ誰にでも真似できない卓越した行動へと繋がっていくのでしょう。

事例

では、今回の電話は具体的にどうだったら、良かったのでしょうか。例えば、こんな感じを想像してみました。

「x社の◯◯です。いつもお世話になってます。今お電話よろしいですか?」
(まず名乗る。何はともあれ社交辞令を忘れない。しっかり許諾を取る)
 
「はいはい。どうぞ。今日は社長さんじゃないの?どんなご用?」
「本当にすいません。ご存知かも知れませんけど、社長は△△の件でちょっと忙しくて。私からでは大変失礼とは思ったんですが、実は、お車について諸々お聞きしたくて、今日はお電話させてもらいました」
(あなたを知っているコトをアピール。社長は△△の件で ≒ 電話できない理由を知っているはず、という当たり。私からでは ≒ 社長との直接の付き合いを知っていることを知らせている)
 
「何?今年の車検、他所へ行っちゃうか心配になっちゃったの?」
「いえいえ。滅相もない。逆に長年車検を受けていただいているお客さまに、まだお乗りいただくか。お買い替えをお考えになっているか。教えていただければありがたいと思っておりまして」
(とにかく低姿勢を維持して会話へ誘導)
 
「ああ。そういうこと」
「すみません。何だか不躾なお電話で。ただ、先日の弊社の展示会でエコカーを熱心にご覧になっていたと聞いたものですから」
(でも会話が切れないよう本題も寸止めw 展示会の出来事のように、本題に関連した相手の「体験」から慎重に糸口を探す)

ちょっと作り話っぽさはあるかも知れませんが、こんな導入だったら、どうでしょうか。少しは話してみようという気になりませんか?

私的にはこんな感じのアプローチだったら、今後の車両の方針をベラベラと喋ってしまっていたはずです。残念!情報を取り逃がしちゃったねw > 某社の名無しくん

改めて

ブログはある意味、未来の自分へのメッセージです。知り得た教訓やナレッジを未来の自分に伝えるメディアでもあります。

私に電話してくれた名無しくんの動静は存じませんが、今回の事例は電話の難しさを改めて感じる良い機会となりましたので、ここに記すこととしました。

ありがとう! > 某社の名無しくん

それにしても、電話って、ホント難しいですよね。

© toomores_such