12月の英断に期待したいですね
今のFRBからは、何としても利上げをして金融政策を正常化しなければならないという決意の強さが伝わってこない。 jp.reuters.com
かつてマエストロを賞賛されたアラン・グリーンスパン元議長も、サブプライム危機発生後は、ほとんど戦犯に近い扱いを受けました。
また、そのサブプライム問題から米国を安定軌道まで持ち上げた立役者であるベン・バーナンキ前議長も、著書名をモジラれた題名の記事でこき下ろされる始末です。
なので、金融当局者の皆さんが「失敗したくない・石橋を叩いても渡らない症候群」に陥ったとして不思議ではありません。
本来であれば、大衆に真実を伝えるべきマスコミの、いささ感情的かつ扇動的な批判が事態の悪化に一役買ってしまうのでは問題です。
経済において常に正解はありません。
私たちに与えられるのは常に「少しだけ良いモノ・コト」ばかりです。
そんな、か細い選択肢の中から、少しでも良い方向へ進めるよう、試行錯誤を繰り返すのが人の世の現実、というものです。
ならば、過去の事象を盛大に批判してドヤ顔面しているのではなく、これまでの成果を称え、反省すべき点を列挙し、次のステップに向けて何をすべきか、具体的に明示する知性ある行動が、金融当局者やマスコミのいずれを問わず、求められている態様ではないでしょうか。
次に経済が悪化したときに対応手段がなくなる弾薬庫の払底問題がある jp.reuters.com
どんなに経済が好調であったとしても、いずれは景気後退期はやって来ます。
21世紀の世界経済の牽引役と期待された BRICs や新興国は自己変革できずに沈み、中でもロシアや中国は栄光にしがみつくあまり、軍事的な先鋭化を捌け口に求める有様です。
先進各国におていも、EU は通貨統合の矛盾から袋小路へと迷い込み、我が国も高齢化に伴う構造不況にカイゼンの兆しがまったく見えません。
となれば、唯一の超大国である米国の中央銀行が実弾を蓄えておかなくて、だれが有事の際、機動的に動けるというのでしょうか。
確かに、現下の米国における経済環境下での利上げはノーリスクではありません。
しかし、前述の通り、我々に満点はいつも無いのです。
必ず何か欠けたパーツしか選択肢に含まれていないのです。
なればこそ、ぜひ、FRB におかれましては「勇気ある行動」を以って 12月の利上げに踏み切っていただきたいですし、また、G20 の中央銀行においては自省の念を以って 8月のような不要不急の圧力は、一切無用に願います。
サブプライムから早 7年。世界が良き方向に向かえるよう、この 12月の英断に期待したいですね。