テクノクラートは、まるで呼吸するがごとく「イノベーション」と唱えますが...
そりゃあ、エリート層から見れば、人口減だろうが何だろうが、イノベーションで容易に乗り切れるでしょうけど、イノベーター理論が未だ有効で、大衆の多くがイノベーターやアーリーアダプターに移行できなければ、マスを中心とした旧来の経済構造に頼るほか無いのが現実です。
日本の経済は、人口とほぼ関係なく成長してきた
のかも知れませんが、生活の根幹たる社会保障制度は人口に依存した構造になっている訳で、この矛盾について、今回のインタビューにおいても話者は明確に応えきれていません。また、
重要なことは高度成長期には、転職しやすい、つまり自分の人生を自分の進みたい方向に選びやすい環境があった
この「環境」だって、需要が生み出す職によって育まれていたのであって、生活の安定感が生み出す経済の好循環を軽視したら、根本を見誤るような気がします。
百歩譲って、仮に、これらの矛盾を条件や要素として無視したとしても、議論の結実点として、
イノベーションはむしろシルバー市場に眠っているはずだ
ですか... 月並みなイノベーションですね (失笑
もう稼げない人たち相手に、どこまで市場を活性化できるのか。
以前から「高齢化をチャンスに」という「掛け声」は大きかったのですが、団塊の世代が利用者年代に到達した現在、ある程度の答えは出たような気がします。
イノベーションは起きていますか?
シルバー市場は活性化を超えて活況を呈していますか?
当該市場で働く人たちは豊かになっていますか?
医療の現場。介護の現場。老人を抱えた家庭という現場。
テクノクラートがまるで呼吸するがごとく唱えるイノベーションと、マジョリティが抱える少子高齢化という過酷な現実との乖離は、ロットのパワー無くして、結局のところ、埋まるコトはないのです。