練習用のホルニッセも、まだ仕上がっていない、というのに... ヤフオク!で手に入れた本命を前に耐え切れず、お手付き (笑) してしまいました。
その野外プラモから約 1ヶ月を経て、ようやく S.A.F.S が仕上がりました。
何せ、模型製作は云十年ぶり。復帰後 4ヶ月足らずの上、フル塗装の経験も無し、という体たらくですから、今回は塗装だけで手一杯。一手間加える余裕など一切無く、キットそのままに組み上げました。
それにしましても、長い道のりでありました
(´Д`)ハァ…
これまでは、いかに成型色のまま美しく仕上げるか、というコトばかりに注力しておりましたが、偶然にもスプレーが仕上がりに大きな貢献を果たしたズゴックを見るにつけて、もはや塗装無しの模型づくりを考えられなくなってしまいました。
しかしながら、土日祭日モデラー、室内塗装不可の我が家、そしてご近所さまの手前、平日夜間の屋外も不可、という三重苦の中、ベランダでのエアブラシは週に 1回使えるどうか、という状況。
この「あまりにも非効率な塗装環境」を何とかカイゼンしようと、インターネットを彷徨い辿り着いたのが通称「平田ガンス」であり、そして横山 宏先生の「Ma.K.モデリングブック」でした。

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それはまた、ガンプラ知識に偏った身には大変な衝撃でもありました。
模型を立体絵画として捉え、筆を駆使して色彩を載せていく緻密さ。
対象はあくまで縮尺された工業製品 (らしきモノ) にもかかわらず、エアブラシを初めとする工業的な手法から敢えて離れる大胆さ。
まさに「ホレた」のですが、またも行く手を阻む溶剤臭...
平田氏の紙パレットも、横山先生のヨ式塗装法も、溶剤系塗料の特性を活かした長年に渡るナレッジの集大成でもある訳で、臭いのはダメなどと宣っているド素人には習得どころか、マネすらできるはずもありません。
その点をよく分かっておらず、水性塗料で、と挑戦してみたところ... これがまた、見事に惨敗でありました (苦笑
アクリジョンは、とにかく扱いが難しい。
また、云十年ぶりに試してみた水性ホビーカラーも、その臭いに懐かしさを覚えこそすれ、乾きの遅さは相変わらず。塗装期間の短縮もカイゼン項目の一つである以上、現状では選択肢に含めるコトはできませんでした。
正に、万策尽きたか、と諦めかけたその時、福音が舞い降りてきたのです。
それが、田中 克自先生の「田中克自流筆塗り塗装術」でした。

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またぞろ暗鬱たる心持ちでインターネットを彷徨っていたところ、さるサイトで、その塗装術を知った時「あれっ? この名前、どこかで見たコトがある... 」と。
「もしかしてっ」と、横山先生の「Ma.K.モデリングブック」を開いてみると、P107「お筆のお話 (2) 空山スペシャル筆」に、そのお名前が文脈の中でサラリと... 完全に見落としておりました
(´Д`)ハァ…
術の詳細につきましては、先生の著書に譲りますが、この手法の素晴らしい点は...
- 溶剤系塗料の特性を最大限に享受しつつ、溶剤臭を最小限に抑制できる
- エアブラシなど、準備や片づけに手間取る道具を必要としない
- 調色や筆運びが多くの図版で示されているので、素人が学習しやすい
の 3点に集約でき、正に「土日祭日モデラー」にピッタリの塗装法と申し上げても過言ではありません。
特に 3点目が大変重要なポイントとなります。私は新しいコトを始める際、必ず先達の手法をコピーするところから始めます。
手習いのレベルから少しずつ、少しずつ先達のマネを繰り返すコトで、失敗とカイゼンを積み重ねる学習が可能になるからです。こうしたプロセスにおいて重要なのは、習得したい技法について多くの情報が提供されているコトなのです。
才能有る方々であれば、僅かな情報で多くの技能を再現できましょうが、私のような凡人にはそんな芸当はとても無理なので、対象についてより多くの情報が提供されているかどうか、を重要視するのです。
この点でも、先生のご提案は、私のニーズにピッタリでありました。
さて、何やら前振りがかなりの長文となってしまいましたが、ガンプラからマシーネンクリーガーに辿り着いた、ここ 1ヶ月強。色々と悩みながら、最終的に筆一本で塗った成果が下記画像となります。
塗装イメージとしては、アイルランドのような、陽光が少なく、降雨に晒される続ける地域で、戦火をかいくぐって来た感じを想定しています。
紆余曲折の割りに「まぁまぁ」な感じの仕上がりとなりましたので、満足しています。ただ、いくつか反省すべき点もありました。
- アンテナや脚部のチューブなど、ディテールアップには一切手を付けられなかった。
- 左側部と右前腕の合わせ目が復活してしまった。稼働時に圧迫され割れたと思われるので、もっと丁寧に接着した方が良い。
- 箱裏パレットから拾う塗料が濃すぎたため、塗膜が厚くなってしまい、モールドの一部も埋まってしまった。塗料はもっと薄い方が良い。
- 筆のストロークが長かった。もっと短い筆運びを心掛けた方が良い。
- 成型色と基本色 (2) が似ていたので、塗り残しを出してしまった。「田中克自流筆塗り塗装術」では下地への言及は見当たらないが、塗り残し予防のためにも必ず塗った方が良い。次回は、オキサイドレッドのサーフェイサーを使いたい。
- 迷彩の境界部分の塗り分けが、まだまだ全然下手。もっとプラ板などで練習した方が良い。
- チッピングが難しく、腰部フロントアーマーしか施せなかった。シリコンバリアーも良いが、筆によるチッピングをマスターしたい。
といったところが、大まかな反省点です。次回は、ぜひこれらの反省を活かして、より良い作品に仕上げられるよう、頑張ります。
ヲイヲイ。コクピットの生首はどうしたのか。
ですって? 実は、パイロットおじさんのお顔の塗装、失敗して、やり直し中ですっw
P.S. ちなみに、塗料については、大した調色技術も無いので、インスト推奨カラーを元に少しアレンジした程度です。レシピは下記の通り。
基本色 (1)
インストの通り混合したものの、雰囲気が少し違う感じ。量産機なので、ザクっぽい色合いの方が似合うと考え、下記をベースに「RLM02グレー」で微調整
:
=3:1
基本色 (2)
機械部分
機械部分とは、銃口・手・エンジン・バーニヤ・左腕部チューブ接続部・両脇腹の部分。手元に残っていたので、サフを塗料代わりにw
:
=1:1
背面ケーブル
単色ならば、アクリジョンでも問題無し。全色買い込んでしまったので、使わないと MOTTAINAI (苦笑
動力チューブのウェザリング
機械部分のウェザリング
「アクリジョン ゴールド」は、金属が焼けた感じに仕上がるので、良い
足の泥
スミ入れ & ウォッシング