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G20 も塩っぱくなってきましたね...


photo by DonkeyHotey

 

21世紀は、一握りの先進国が政治・経済の先行きを決めるのではなく、新興国が主導していくのだ!と、各国の皆さん、随分と威勢よく振る舞っていらっしゃいましたが...

G20の声明に盛り込まれたのは、中国危機と米利上げのリスクという問題の指摘だけ
biz-journal.jp

いざ危機が訪れてみれば、実力不足は如何ともし難く、米中両国に対する注文だけ、とは、何とも塩っぱい限りです。

それでも、米中両国が一定の配慮を行ない、世界的な会合による声明が効力を持つモノであれば、まだ面目躍如かも知れませんが...

テロが相次ぐなかで、軍事パレードの断行によって統治能力を誇示するのに躍起になっている習近平指導部が、国民の不満が増幅しかねない、痛みを伴う構造改革に踏み込むかどうか、甚だ疑問

だったり、

米国経済が回復すれば、リーマンショック以降継続してきた非常時の金融政策を正常な状態に戻す利上げは、FRBが避けて通れない道だ。イエレン議長の異例の欠席は、自らの政策決定がこうした要求によって手かせ足かせをはめられることを嫌ったものとの見方も成り立つ

という感じですから、効き目の方も、あまり期待できそうにありません。ただ、

「しかしながら、金融政策のみでは、均衡ある成長に繋がらないだろう」「我々は、債務残高対 GDP 比を持続可能な道筋に乗せつつ、経済成長と雇用創出を支えるため、短期的な経済状況を勘案して機動的に財政政策を実施する。この目的のため、我々はまた、引き続き、生産性、包摂性及び成長を支えるために歳出及び歳入の構成を考慮していく」と記したぐらいだ。

記したぐらい、かも知れませんが、米中を除く各国において、十分な財政政策、あるいは構造改革が行われているどうかは、甚だ疑問です。

少なくとも我が国においては、安保法制や軽減税率で大騒ぎしていて、女性の社会進出や少子化対策など、長期的な税収安定のために重要な生産人口の減少を食い止める対策について、何も有効な手を打っていないのが現状です。

仮に、政府が主張する通り、安保法制が平和のためであったとしても、それを実行するための自衛隊員の成り手が加速度的に減少して行く中で、どうやって安全を守れるというのか。

笑っちゃいますよね。
頭隠して尻隠さず、とはよく言ったものです。

日本に限らず、人口や年金など、社会基盤が脆弱化しつつあるコトを市民が不安に思い、そうした潮流が、心理を原動力とする経済自体の不安定化に直結しているのは間違いないと思われます。

結局、vaporware と化した「三本目の矢」とやらは一向に打てず、日銀の黒田バズーカに頼るコトになるのでしょうが、少子化を放置したままでの大規模な金融緩和は、本能的にインフレを望まない大衆の想いとの間に乖離を生み、ますます副作用を増して行くコトでしょう。

国民の代表として、国家の舵取りを付託された政治家の皆さんは、具体的かつ日常的な市民生活における視点に立脚しつつ、未来指向の、かつ従来の価値観に囚われない勇気ある財政政策を立案・断行されんコトを祈って止みません。

© toomores_such