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スウェーデンの「集団免疫獲得」戦術は、「集団免疫 ⇔ 集団死亡」という高価な掛け金の割りに、結果が「かも知れない」では水揚げとしては悪すぎる気がする。

https://cdn.pixabay.com/photo/2020/03/30/10/46/stay-home-save-lives-4983843_960_720.png

 

英国が慌てて取り止めた「集団免疫獲得」戦術を採り続けるスウェーデン

newsphere.jp

 

やはり、と言うか、人口辺りの死者数はトップクラスを走っている。

web.sapmed.ac.jp

 

上記、記事によれば、

5月中旬にはストックホルムでは10%から30%、またはそれ以上の集団免疫がつくかもしれない

とあるが、「集団免疫 ⇔ 集団死亡」という高価な掛け金の割りに、結果が「かも知れない」では水揚げとしては悪すぎる気がする。とても割に合わない。

感染症の専門家によれば、集団免疫には 60% 以上の免疫抗体保有者を必要とするらしいが、仮に 5月中旬時点で最善の 30% だったとしても、単純に今後 2倍 の死者を必要とする計算となる。

www.technologyreview.jp

 

加えて、回復した患者が再度感染するケースの報告も続く中では、「免疫獲得済み」の定義も難しい。

(´ε`;)ウーン…

やはり、COVID-19 / SARS-COV-2 のメカニズムが解明されない現在においては、「集団免疫獲得」戦術は、ほぼほぼ「博打同然」と言わざるを得ない。

 

また、この戦術は、社会的弱者を拡大させてしまう恐れも在る。

例えば、今まで働けていた基礎疾患の在る人は感染リスクが高いため、出勤を控えたい、と希望しても、社会の方向性とは異なるため、社会的な差別を受ける可能性が高い上に、悪くすれば、失職する可能性も否めない。

こうした社会的弱者をケアするセーフティーネットの整備も「集団免疫獲得」戦術を実施する上での前提条件となるが、そうした情報は為政者にとって不都合なのか、なかなか流れて来ない。

 

加えて、少子高齢化が急進する我が国も他人事ではないが、

スウェーデンでは老人ホームなどの高齢者施設で大感染が起きている。ガーディアン紙によれば、これまでの死者の3分の1がケア・ホームの住人だった。

既にスウェーデンでは、COVID-19 / SARS-COV-2 による被害が高齢者に集中している。

この件も当初から想定されていたが、実際に現象の顕現を観察してみて思うコトは、ワクチン無き「集団免疫獲得」戦術は、

世代交代を一気に進め、社会保障環境を一変するゲームチェンジャー

としての側面も垣間見えてきた。

この誘惑に抗えない為政者の出現にも留意する必要があろう。

 

何れにせよ、選択してしまった以上、スウェーデンはこの茨の道を進む他あるまいが、COVID-19 / SARS-COV-2 との戦争は、数年単位と予見されている以上、我が国は慌てて戦術を変更する必要は無い。

寧ろ今は、不足している兵站、具体的には

  • 肺炎初期段階の患者の早期発見体制の確立(レントゲン等の活用)
  • 軽症者の隔離体制(ホテル等の宿泊施設の確保)
  • 重傷者の集中治療(ICU や呼吸器等の設備や人員の確保)

の拡充を、不要不急の外出抑制の徹底と共に、地道に取り組むべきだろう。

ドイツ同様、これ程の兵站を後方に抱えていれば、前線での戦術変更は容易だから、だ。

補給が続かず前線が壊滅する、という先の大戦で頻発した愚行は避けられる上に、第二次世界大戦の敗戦国である両国が、対 COVID-19 / SARS-COV-2 大戦では戦勝国となる可能性も無きにしも非ず、だ。

何とも痛快な結末ではないか。

大戦終結 80周年を目前にして、COVID-19 / SARS-COV-2 に打ち勝ち、国際社会へ堂々凱旋する。

この目標こそ、国民が一致団結して向かうに値する、と考えるが如何か?

 

さてもさても、スウェーデンには申し訳無いが、大いなる社会実験の結果は、今後の我が国の行く末の途上にて存分に活用させていただく、と近い未来、大言壮語が吐けるように成っていたいものだ。

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