私のパソコン遍歴 其の壱 〜MZ-700編〜
IIcx のコトを書いていたら、ふとこれまで過ぎ去っていったパソコンたちのことが懐かしくなってしまいましたので、これまで出会った PC を一つ一つ総括してみようと思います。
まずは、初代 MZ-731
MZ-731 (1983〜1986)
後に「タイニーゼビウス」が移植されて「伝説」となった名機。
某事務機器屋さんが開催した展示会の展示品をディスカウントしていただいて購入しました。
当時はパソコンブームの最中でしたから、とにかく実機が欲しくて欲しくて、仕様もよく確かめずに飛びつきましたが、それが運の尽きでした。
MZ-700 は MZ-80K の流れを汲む製品だったので、ドットグラフィック機能が無かったのです。とにかく、市販ゲームにしても、BASIC のプログラムでも、グラフィックが目玉のような時期でしたから、それはもう落胆しました。
ただ、その後、幸運にも仲間や情報源 (ベーマガ・Oh! MZ) に恵まれて、アセンブラの面白さに開眼。ポインタ・スタック・メモリ管理など、C言語などで必要となる概念を否応なく、期せずして習得してしまっていました (当時はそんな用語さえ知りませんでしたがw)。
マニュアル巻末記載の ROM のソースコードと Oh! MZ 付録の Z80 のニーモニック一覧だけが頼りの、ほとんど当てずっぽうに近い形でしたが、今で言うところの「リバースエンジニアリング」っぽいコトをやって、機体を制御できる快感に酔いしれていました。
そういう意味では、あまり複雑な構成ではなかったことが功を奏したと言えるかも知れません。
ただ、当時は未成年でしたので「酔い」の何たるかを知りませんでしたが、単に酔っているだけではダメで、形となる一つの製品として仕上げるためには、酔っ払っていてもちゃんと帰宅できる図太さが必要とされるコト (ヒドい例えw) を、後のタイニーゼビウスの衝撃によって知るところとなります。
漫然と技巧を身につけるだけでは自己満足の範疇を超えることはありません。世に知らしめる。つまり、アウトプットとして結実させるためには、例えば、企画力であったり、スケジュール・工程管理であったり、何が何でも仕上げる!という意志の力であったり、と、違う能力や努力が必要とされることを、一連の古籏氏による「MZ-700に不可能はない」シリーズは教えてくれたような気がします。
最初の出会いでは、いささか不幸な側面 (グラフィック) もありましたが、過ぎてみれば、非常に多くの学習機会を与えてくれた機体でありまして、私にとっても、正に「伝説」の名機でありました。