「輸入小麦より国産米」同様、プラモも国産を買おう。(戦車:タミヤ/飛行機:ハセガワ/船:アオシマ・ピットロード)
小麦 価格の高騰を受けて国産米が注目を浴びる昨今ですが、ふと「プラモの価格はどうなっているだろうか」と思い立ち、ヨドバシカメラで主要な分野別に 1キット当たり 2千円以上の価格 の比率を調べてみたところ、結果は下記の通りとなりました。(2022年 7月 17日現在)
- ロボット ∴ 87/451 = 0.192904656 ≒ 19.2%
- 戦車・軍用車両・大砲・兵士 ∴ 801 ÷ 3249 = 0.246537396 ≒ 24.6%
- 戦闘機・飛行機・ヘリコプター ∴ 527 ÷ 2259 = 0.233289066 ≒ 23.3%
- 軍艦・潜水艦・船舶 ∴ 379 ÷ 1320 = 0.287121212 ≒ 28.7%
どうやらプラモデルも原材料価格の上昇に伴ない、「子供のお小遣いでギリギリ買えそうな値段」を超えるのが当たり前になってきたようです。
既にガンプラ界隈では物価高騰以前からプレミアムバンダイでの限定品を筆頭に低価格帯(HG等)でも値上がりが進行していましたが、いよいよガンプラ以外のロボット物やスケールモデル(輸入品)でも価格帯のシフトが起きているように感じました。
ところが、 2千円以下に着目してみると、それぞれのカテゴリーに気を吐いている会社が在るコトに気づきます。
- ロボット:バンダイ ∴ 40 ÷ 87 = 0.459770115 ≒ 45.9%
- 戦車:タミヤ ∴ 158 ÷ 801 = 0.197253433 ≒ 19.7%
- 飛行機:ハセガワ ∴ 105 ÷ 527 = 0.199240987 ≒ 19.9%
- 船:ピットロード ∴ 95 ÷ 379 = 0.250659631 ≒ 25.0%
- 船:アオシマ ∴ 68 ÷ 379 = 0.179419525 ≒ 17.9%
- 船:タミヤ ∴ 54 ÷ 379 = 0.142480211 ≒ 14.2%
特に、船においてはピットロード/アオシマ/タミヤの 3社で全体の半分以上を占める結果となっています。
プラモデル は、自由気ままな工作や塗装という作業の楽しみを味わえると同時に、欲しい立体物を容易に手に入れられ、あわよくばコレクションも可能、という手軽さもまた魅力の一つだったハズです。
ところが、昨今では「新発売段階からの希少性」を初めとして、精密なディテールのための高度な金型やエッチングパーツの付属等、コスト増となる要因の過剰付加の結果、雑な工作や塗装ではあまりにも MOTTAINAI モノとなってしまい、自由や手軽といった模型本来の良さから乖離した、極めて不自由な趣味と化してしまっているように感じます。
そういう昨今の趨勢下にもかかわらず、低価格帯においても良質なキットを提供し続けている 上記 5社 の頑張りは見事と言う他ありません。
昨今 はキット価格に対する金銭感覚が 麻痺 してしまっている、と感じるのは私だけでしょうか。
「高いのが当たり前」ではなく、一旦立ち止まり、多くのモデラーに永く愛され続けてきたメーカーと、安くとも良質なキットを改めて見直してみるコト。
そして、その結果として、人生に彩りを与えてくれる プラモデル本来の楽しさ を取り戻すコトが大事ではないかと、最近強く思っています。
皆さまも是非、低価格帯のキットをお一つ如何ですか?