岡江久美子さんの不幸な事例からも、つくづく思いましたが、
なぜ、新型コロナクラスター対策専門家ですら「限界がある」と公言して憚らない PCR 検査結果を基に医療措置の有無を決定するのだろうか?と。
あるいは、なぜ、PCR 検査結果が出るまで医療処置を開始しないのだろうか?と。
【PCR検査の結果について注意してほしいこと】
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) 2020年4月23日
検査には限界があり、正しい診断結果がでないこともあります。
検査結果を正しく理解するための知識をまとめました。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/HKVpmWmXA3
COVID-19 / SARS-CoV-2 罹患者の多くは肺炎を発症していて、それはレントゲンや CT 等によって発見できるでしょうから、
症状が疑われる人は先ずは撮ってみる
⇒ 撮影結果も勘案し、医師 が、既往症等の様々な要因から総合的に判断して 自宅待機の有無 を決定する
という治療フローでは、なぜ、ダメなのだろうか?と。
個人的には、曖昧な PCR 検査に頼るよりも、ハッキリと自身の体調を確認できる従来型の手法の方が、患者も納得できるでしょうし、お医者さまの心身両面の負担軽減にも繋がるような気がします。
また、このプランならば、レントゲン設備を備えた町医者でも対応可能で、重傷者への対応で忙殺される大病院 or 総合病院の負荷を分散できる、という利点も生まれます。
ただ、医師の誰もが、国が定めた基準を逸脱してまで治療を強行できる人ばかりではないでしょう。
そんな方が少数なのは当然のコトであって、外野が責めるべき事柄ではありません。
そう考えると、やはり、先生方へ全面的にエンパワーメントできる環境づくりがとても大切で、そうした視点から鑑みれば、PCR 検査も、あくまで医師が治療の一環として選択する手法の一つでしかなく、治療プロセスの開始に位置するモノ、医師すらも従うモノではない、と思います。
ましてや、検査の必要性の判断を、医者でも無い人間 が、しかも電話越しで下すとか、「医師法違反じゃないの?」と疑いたくなるような事態が平然と罷り通っているのが現状ではないでしょうか。
もちろん「感染が疑われる人たちが病院に殺到して、更に感染を拡大したり、院内感染によって病院を閉鎖せざるを得ない事態に至ったら、どうするのか?」という懸念は確実に有ります。
しかし、それとて、撮影室までのゾーニング、屋外に患者の待機所を用意する等、「Rule 大好き、Wating 大好きな日本人の性質(笑)」を存分に活用して、工夫できる余地は皆無ではありません。
日本の建築技術だって、まだまだ捨てたものではなく、医療技術以外にも感染症対策に活用できるモノは沢山在るはずです。
余談ですが、飛沫防止策として発注したアクリルボックスを、職人さんが、あいよ、と二つ返事で請け負う姿に「職人カッケー」と感動しました。
閑話休題。また、マンパワーやリソースに劣る町医者等へは、専門家を派遣して指導する、必要ならば、そのまま常駐してもらうのも一つの手でしょう。
こうした社会的インフラを充実する費用にこそ税金を投入 or 投下すべきです。
それに、医療は万人が享受できる利得でもありますから、援助と異なり、公平感を保つのも容易なので、政治屋の皆さんにとっても安牌ではありませんか?(皮肉
こうして俯瞰して参りますと、どうやら、私の考えは「ドイツ方式」に近いのかも知れません。
時に、厳格さの度合いが鼻に付く German ですが、規律を必要とする緊急事態下においては、彼らの態様は参照に値する、かも知れません。
ちなみに、PCR 検査の全部がダメ、という訳ではなく、感染状況を統計的に把握するためのフィールドデータとしての価値は代替できるモノは無いでしょう。
また、問題となっている「無症状感染者」の発見には、この手法に頼るしかありません。
したがって、ドライブスルー検査の実施 or 拡大は結構なコトだと思いますし、ある程度の「確からしさ」が保障されるのであれば、議論となっている「検査キット」にも有用性が発生するかも知れません。
最後になりますが、本庶先生や山中先生がおっしゃる通り、この「対 COVID-19 / SARS-CoV-2 戦争」は年単位の長期戦となる、という最悪から二番目のケースを想定して臨むべきです。
(ちなみに、一番の最悪のケースは、罹患 or ワクチン等を問わず、集団免疫を獲得できずに人類滅亡、ですから考慮する意味はありません)
こうした戦時下において、どうやって経済を回し、銃後に居る市民の生命および財産を守り抜いて行くのか。
リーダーの資質云々が喧伝されてばかりですが、実はあまり戦略 or 戦術に幅は無くて、とにかく、現存する有限のリソースを誤って消費せず、適材適所に配置し、最大限の効果を生むコトが大事なのです。
どころが、どうも世間は混乱のあまり、二度の大戦時同様、冷静さを失っているようにも感じます。
弾幕を張ってイイのは、ガンダムの世界だけ、ブライトさんだけ、です。
現実の我々にはムダ弾を打つ余裕は全く有りません。
「素早い。しかし、慎重さも兼ね備えている」という二律背反の如き命題を、人類全体で実践して行くのが 21世紀を生きる我々に与えられたミッションなのです。
なので、私は、小池知事の呼び掛けに、もう二つ加えたいですね。
Stay at Home.
Stay in Your Town.
Save Lives.
Cool It! and Think It!
落ち着こう、
そして考えよう